その名前を聞いた途端、オレンジの髪は床を転げ回りながら笑った。

私はその姿を見て唖然とする。

本当に一瞬だけ笑い死んでしまうのかと思った。

「…あの人、大丈夫?」

私は椎名海にオレンジの髪を指差して問いかけた。

「いつもあんなんだ。気にすんな。」

と何もないように、オレンジの髪の鳩尾をガッと蹴った。

咳き込むオレンジの髪はまだ笑っていて。

そして名前を名乗った。

「俺、朝日京(アサヒキョウ)。京って呼んでくれ、雨水ちゃん。」

笑いを堪える京は、椎名海を差して「こいつは海ね」と言った。

海は額に手を当てて、溜め息を吐きながら京を蹴った。