心臓が止まるかと思った。 いや、口から出るかと思った。 どちらにしろ、私は身動きとれず、酸素を探している。 「…ん…。」 やっぱり、毎回思う。 海の言動はいちいち私の寿命を縮めているんじゃないかって。 散々口内を掻き乱された後、酸素が入る。 生き返った時、首筋に海が顔をうずめた。 「あ、の…海?」 「あ?」 いつも通り、返事を返してくれる。 早く、この状況をどうにかしなくば…と思い言葉を探す。 こんな時に限って、言葉も話題もない。 海は私の耳に触った。