すぐに海のものだと分かった。
動こうと思ったけど、背中に手がまわされていて動けなかった。
「…起きたか?」
近い声に、心臓が狂うかと思った。
鼓動がうるさすぎて、思わず耳を塞いでしまいそう。
「…起きた。」
「ん。」
確認するように返事が返ってきて、無言。
何!?
何かの罰ゲーム!?
それとも、私を心臓破裂か何かで殺したい!?
「…海。」
「あ?」
「みんなは?」
「下で騒いでる。」
やっぱり、ここ海の部屋だ。
私は少し落ち着いてきた心臓を確認し、深呼吸をする。
でも、海はやっぱり私を殺したいらしい。
「…雨水。」
「何?」
「抱いても良いか?」
…死ぬ。



