「…行かない方が良い。」 駆け寄ろうとした私に、冷めた声で九条さんが言った。 何故?と聞く前に、澤田さんの隣に女の人が見えた。 髪の毛は、黒いんだけど…何か全体的に派手な感じの人。 「彼女さん?」 確かに邪魔してはならない。 「違う。」 九条さんは出口に歩き出した。 「違うの?」 遠くなる背中に追いつき問う。 九条さんはこっちを少し見てから、澤田さん達の方を見た。 私もつられてそっちを見る。