目の前には、九条さん。

いや、いつもは見ない姿で。

バイクに跨っている九条さん。

なんと。

二、三度瞬きをする。

「は・や・く!」

「あ…はい。」

暴走族の人達が乗るようなのではなくて、普通のバイク。

てゆーか、九条さんはヘルメット被らなくて良いの!?

疑問を口にする前に、私は九条さんの後ろに乗った。

すると、バイクは動き出した。

…人生初、バイクの後ろ乗った。

色んな事にドクドクとして、あんまり乗ってる時の記憶がない。

ただ、バイクの振動が無くなって、九条さんが

「着いたよ。」

と言って気がついたのだから…気を失っていたのかもしれない。