私は溜まり場に九条さんがいる事を祈った。

そう思いながら、溜まり場に向かう。

いつも開いている扉を開いて、二階へ上がる。

「九条さん!」

願ったり叶ったり。

九条さんは、何か?という顔で私を見た。

京も海もいない。

海には電話をしていなかったから、倉庫の方にいるのかもしれない。

「あの…繁華街に連れて行って欲しい…。」

「繁華街?」

海に言われた。

“昼だろうと夜だろうと絶対に一人で繁華街を歩くな。俺か京か九条と一緒に行け”

と。

「繁華街。」

九条さんの言葉を復唱する。

「なんで?」

特に嫌な訳でもないらしい。

単純に不思議という目で見ていた。