感謝の気持ち。 それが、九条さんにとって忘れがちなものらしい。 「こっちの世界にいるとそういう気持ち、忘れちゃうから。 あんたの“ありがとう”とか聞いてると、思い出す。」 微笑む顔は眩しく。 とても美しく。 …私が穢れているように思えてしまう。 私も弱く微笑み返した。 期間は後、約半年間。 また潮風が吹いた。