私はくるりとひとつの扉に向かう。 そして、トントンとノックをして扉の向こうに入った。 「海。」 ベッドに寝ている海。 近づく。 海も京や九条さんと同じで明け方までどこかにいたのかもしれない。 寝てても良いから。 海に触れていたいと思った。 案の定、海は目を瞑っていた。 「…ん?」 寝ぼけた声で返事を返してくれた。