返事は返ってこない。 やっぱり、寝てしまったみたい。 ふぅと溜め息を吐いて、海の顔を見た。 「…俺は京じゃねぇ。」 綺麗な顔の中の口が動く。 「え?」 「俺は京じゃねぇから、俺に聞くな。」 …ごもっともです。 私が思ってたのに。 九条さんの事は、九条さんから聞きたい。 京の事は京から。 海の事は海から。 「聞いてみる。」 バッグの中から、夏休みの課題を出す。 「何してんだ?」