私は朝ご飯を食べて、茶封筒の中にいた諭吉さんを、一枚ポケットに入れる。

夏休みの課題を持った。

家の鍵を閉めて、歩き出した。

一応、海に電話をする。

「もしもし。」

『…どうした?』

「今から行くね。」

『あぁ。』

眠そうな声が聞こえて、もしかしたら寝ていたのかもしれない、と悟った。

まだ昼少し過ぎなのに…。

よく寝るから、背が高いのかもしれない。

一人納得して歩き続けた。