私の手の内には、エンゲージリングが2つ。

期限は私が三年生に上がるまで。

それまで、このエンゲージリングは光り続ける。

キッチンの冷蔵庫の中を見る。

あるのは、いつ買ったかも分からないミネラルウォーターだけ。

バタンと閉めて、静かで暗い無駄に大きいこのリビングを見渡した。

いつ見たって大きさは変わらないのだけど。

どちらかが来たのかもしれない。

リビングの使われない埃が積もったテーブルには茶封筒。

私はそれに近付いて、中身を見た。

数万のお金。

案の定…だったけど、どこか期待してた。

手紙やメモの一切ればかり、入っているんじゃないかなって。

全て出してもそこには無表情の諭吉さんが出てくるだけ。