絶句したような顔。

『こいつ、大丈夫か?頭どっか打ったんじゃねぇか?』という顔を…。

「どこも打ってないよ。」

「は?」

今度こそされた。

夏休みがすぐそこに迫る今日は、ジリジリと暑い。

今は日陰に入っているからまだ良いけれど。

「…誰が雨水以外に女いるっつった?」

「…だ、誰も…。」

「あいつ等か。」

舌打ちをして言う。

“あいつ等”っていうのは、多分京や九条さんのこと。

後から何かあったらごめんなさい!!

と心の中で謝っておく。

「いいか、よく聞け。」

海は真剣な顔をして、私と向き合う。