私は自分の席に座って、窓の外を見た。

誰とも目を合わせたくない。

扉が開く音がした。

ざわめきの中に聞こえたから、クラスメートはそれに気付いていなかったみたい。

「…煩い。」

私はその声の方を向くとそこには、九条さんの姿がある。

呟くようなその声に、クラスメートの視線が集まる。

一瞬の内に静かになった教室内。

「…お前だって、所詮親の七光りだろ。」

どこからか、そんな声が聞こえる。

初めて聞く九条さんへの暴言。

京や海が言うのなら、分かる気がした。

…だから、かもしれない。

そのクラスメートの命はもうないに等しいんじゃないかって。

そんな勘が働いた。