少しだけ悩んだ後、昨日の澪さんの様子を切り出そうとした。


その時…


玄関のドアが開く音がして、あたし達は一斉にリビングのドアに視線を送った。


「あっ……。ただいま!」


澪さんはリビングに入って来てすぐにあたし達の視線に気付いて、昨日と同じように柔らかい笑顔を見せた。


「お帰りなさい!」


あたしが笑顔で言うと、待ち構えていた嵐も口を開いた。


「澪、腹減った!」


「ごめん!すぐ作るからね!」


「澪!」


キッチンに向かおうとした澪さんを、廉さんが不機嫌な声で呼び止めた。


一瞬、澪さんの体がビクリと強張ったのがわかって、リビングには気まずい空気が流れた。