「どうしてやめたの……?」


「何?ヤりたいの?」


嵐は意地悪な笑みを見せ、あたしを見下ろした。


「ちがっ……!……わないかもだけど……」


「どっちだよ!」


吹き出しながら笑った嵐を、上目遣いで見つめる。


「たまには……強引でもイイかなって……」


それから枕に顔を埋め、呟くように言った。


顔が熱くて堪らない。


「そういう事言うなよ……」


「だって……」


上を向いた瞬間、目の前には嵐がいた。


「後悔すんなよ?」


彼は言い終わるよりも早く、あたしの唇を強引に塞いだ。


「ん……ふっ……」


「樹里……」


「ら、んっ……ん……」


息が出来ない程のキスに、溶けてしまいそうだった――。