「部屋はここを使ってね。好きなようにしてくれてイイし、遠慮しないでゆっくりしてね♪」


澪さんは、あたしと嵐を部屋に案内してくれた。


「嵐」


「はい?」


後ろにいた廉さんに呼ばれて、嵐が返事をしながら振り向いた。


「ここの壁、結構厚いから安心してイイぞ。ごゆっくり♪」


「廉さん、やめて下さいっ!!っつーか、マジでオヤジ入ってますけど!」


ニンマリと笑った廉さんに、嵐が必死に言い返していた。


「そうだよ、廉!樹里ちゃんが困ってるじゃない!」


澪さんも困ったように笑って、廉さんを見た。


「あの……おやすみなさい……」


「「おやすみ」」


皆の顔をまともに見れなくなったあたしは、廉さんと澪さんに頭を下げて逃げるように部屋に入った。