Virgin Snow

「そう?」


「う、うん」


椅子に座っている嵐に見上げられて益々ドキドキしたのは、もはや言うまでも無い。


こんなに緊張した事なんて無かったかもしれない、って言うくらいにドキドキしていたんだ。


「そっ、それに、珍しい名前だよね!」


それを隠すように笑うと、嵐が首を小さく傾げた。


「そうか?でも、お前も珍しいだろ?」


「えっ!?」


「樹里、ってイイ名前だな♪」


嵐は言いながら、満面に笑みを浮かべた。


その直後のあたしの心臓は、ありえないくらいドキドキしていた。


嵐にじっと見つめられたあたしは、戸惑いながらも必死に次の会話を探していた。