「今から会えねぇ?」


「今から……?」


「この間の話の続きがしたいんだけど……。無理か?」


今、嵐と向き合わなきゃ……


そう思って返事をしようとした時、あたしの手から携帯が抜き取られた。


「ちょっ、返してよっ!!」


咄嗟に手を伸ばして携帯を奪い返し、慌ててディスプレイを見た。


「電話……切れてる……」


「こんな時に男と電話するなんて、マジKYじゃね?」


何の悪びれもなくそう言った高志君を、キッと睨み付けた。


「ふざけないでよっ!!」


あたしが叫んだ瞬間、周りにいた子達は会話を止めて黙り込んだ。


騒がしいファミレスの中で、あたし達のテーブルだけが静まり返っていた。