家を出るのと同時に、携帯が鳴った。


「もしもし……」


あたしは寒さに首を竦めながら、電話に出た。


「樹里!?もう出ちゃった?」


電話の相手は同じ大学の友達で、名前は岡野真由美(オカノマユミ)。


「今出たばっかりだよ!」


「良かったぁっ……!」


「何が?」


もしかして、ドタキャン……?


今日は一人になりたくない……


それだけはやめてよ……


「場所、変更してもイイ?他にも何人か遊びたいって子がいてさぁ〜!」


「うん、イイけど……。どこに行けばイイの?」


「いつものファミレス♪」


「わかった!」


頷いてから電話を切って、ファミレスに向かった。