嵐があたしと同じ大学を受験するってわかった時、すごく嬉しかった――。


「ねぇ……。嵐って、どこの大学受けるの?」


受験モードになったクラスで、一人余裕の嵐に尋ねた。


いくら頭が良くても、呑気過ぎるでしょ……


「俺、M大……」


嵐はそう言うと、あたしをチラッと見てから視線を逸らした。


「あたしも……M大、だよ……」


あたしは驚きと喜びで、途切れ途切れに言った。


「知ってる♪」


嵐は得意気に言って、ニッと可愛い笑顔を見せた。


「どうして……?」


「ん〜……?お前が話してるの聞いたから♪」


「一緒の大学っ……!行けるとイイねっ!!」


あたしの言葉に、嵐は大きく頷いて笑った。