「別れたから問題ないだろ!ほら、早く乗れ!」


あたしは戸惑いながらも、言われた通り自転車の後ろに乗った。


「落ちんなよ!」


「うん……」


1年振りに、また嵐に近付けた気がした。


「いつ別れたの……?」


思い切って、気になる事を尋ねてみた。


「あ〜、結構早かったかな……。去年のクリスマスの後くらい」


「嘘……」


「嘘じゃねぇよ!浮気されてたから、俺から別れようって言ったし!」


浮気……!?


何よ、それ……


そんな軽い女に、嵐を奪われちゃったの!?


あたしは虚しくて、つい思った事を口にした。


「酷いよ……。嵐を傷付けるなんて……」


それだけ言った後、泣き出してしまいそうになった。