「仕方ないなぁ〜!じゃあ、またね!」


あたしはそれだけ言うと、家まで必死に自転車を走らせた。


それから玄関のドアを開けて、一目散に部屋まで走った。


「うっ……!……っ、ひっ……ひっ……」


いつから泣いていたのかわからないけど、気が付くとボタボタと涙を流していた。


泣いても泣いても、溢れる涙。


夏の暑さで充分汗を掻いていたのに、あまりにも泣き過ぎて更に汗を掻いた。


嵐と麻美先輩が付き合っている事は、すぐに噂になって…


あたしは、前みたいに彼に近付けなくなった。


その上、サッカーをしている嵐の姿があんなにも大好きだったのが嘘みたいに、部活中に彼を見るのが辛くて仕方なかった。