「彼女がヤキモチ妬くから」


嵐はそう言うと、照れ臭そうに笑った。


「彼女……?何言ってんのよっ!!つまんない冗談はやめてよね!」


あたしは一瞬動揺したけど、すぐに笑い飛ばした。


だって夏休み中もメールしてたけど、そんな事一言も……


「最近出来たからな〜♪」


言ってなかったくせに……


「誰……?」


「あ〜、麻美(アサミ)先輩!知ってる?テニス部の……」


「知ってるよ……」


「告られたから付き合う事にしたんだ。だから、映画じゃなくてジュースにしろよ!」


嵐はそう言って、いつもの笑顔であたしを見た。


あたしは胸の奥が締め付けられて、今にも泣き出してしまいそうなのを必死に我慢していた。