さっきまで泣いていた澪さんも、クスクスと笑っている。


だって要するに、廉さんは澪さんを子供に奪られたくないから、『子供はいらない』って言った訳で…


あのカッコイイ廉さんからは想像出来ない程、可愛らしい理由だった。


恥ずかしそうにベランダに出た廉さんの背中を見つめながら、あたし達三人はずっと笑っていた。


クリスマスに舞い降りた天使。


それは優しくて、素敵な奇跡。


廉さんと澪さんの子供なら、きっと可愛いだろうな♪


あたしは澪さんの隣に座ると、笑顔でお祝いを言った。


「おめでとうございます♪」


「ありがとう……」


優しく微笑んだ澪さんを見て、あたしの心は日溜まりのように温かくなっていた。