「子供が嫌い……?」


「だって……そうなんでしょ?廉は……子供を撮るのは嫌がるじゃない!それに……この間も……子供はいらないって……」


澪さんは何度か言葉に詰まりながら一気に話した後、俯きながら肩を震わせて泣いていた。


長い沈黙が続いて、いつの間にか嵐もあたしの手を強く握り返していた。


妙な緊張感が走る。


「バカ……」


苦しい程の沈黙を最初に破ったのは、廉さんのその言葉だった。


澪さんはゆっくりと顔を上げて、廉さんを見つめた。


廉さんは少しだけ困ったように、だけど優しい笑顔で澪さんを見つめている。


「産んでも……イイの……?」


澪さんは廉さんを見つめたまま、少しだけ掠れた声で尋ねた。