Winter bell

無機質な呼び出し音が、あたしを緊張させる。


何度も深呼吸をしながら、晴稀が電話に出てくれるように必死に祈っていた。


いつもならすぐに繋がるのに、今日に限って中々出てくれない。


まだ仕事なんかな……


それとも……


避けられてるんかな……


良くない事が頭に浮かんで、不安が大きくなる。


それから程なくして、何度目かわからないコール音が途切れた。


「もしもし?」


え……?


だけど、耳元で響いた声に息を呑んだ。