Winter bell

明日はあんなにも楽しみにしていたイヴなのに、あたしは憂鬱な気持ちでベッドに身を沈めていた。


イヴは、あのレストランで晴稀と食事をするハズだった。


手帳に書いた、ピンクのハートマーク。


付き合ってすぐに用意していた、勝負下着。


何日も考えて一生懸命選んだ、晴稀へのプレゼント。


だけどもう、どれも必要無い。


あたしは、ほんまにこのままでイイの……?


こんなに後悔してるのに……


このまま、ほんまに晴稀と終わってしまっても……


頭の中を駆け巡るのは、晴稀との事ばかり。


それでイイ訳ないやんっ……!


やっと気付いたあたしは、起き上がって握り締めていた携帯を開いた。


そして大きく深呼吸をして、晴稀に電話を掛けた。