ソワソワしていると、外でクラクションが鳴った。


窓から顔を覗かせたあたしは、家の前に停めてある君の車を確認した後、急いで部屋を出た。


浴衣が着崩れないように、ゆっくりと階段を降りる。


だけど、逸(ハヤ)る気持ちは抑えられない。


玄関に辿り着いて、卸(オロ)したばかりの下駄を足に引っ掛けた。


そして、一思いに玄関のドアを開けた。


その瞬間、車に寄り掛かりながら少しだけ気怠そうな表情をしている君の姿が、視界に飛び込んで来た。