― ヒュ〜……


「「あ……」」


暗くなった空を切るような高い音を聞いた途端、あたし達は同時に声を漏らしながら夜空を仰いだ。


その直後…


ドォンッと地響きのような音が鳴って、真っ暗な空に目が眩(クラ)むような大きな花火が堂々と打ち上げられた。


赤みがかった月と星の輝きに重なって、いくつもの花火が夜空を彩る。


大地を揺らすような打ち上げ花火の音が、あたしの全身に響いて心を強く揺さ振った。