黙ってるその人。



「そうです!華恋の彼氏です!」



華恋は目の前の男の人にそう答えた。



「邪魔…」



遠くにいたその人は近くに来て
華恋から男の人を引き離した。



「何すんだよっ」



怒ってる男の人を無視して
華恋を見つめるその人。



ちょっと…まんがみたいな
展開じゃない!?



すこしきゅんとする華恋に、



「華恋…」



と、呼びかけるその人。



その声にはっと我にかえる。



「あ…勝ちゃん。待ってたんだよ!
一緒に…」



【一緒に帰ろう】…そう言おうと
思った瞬間、華恋の肩に手を置いてきた。



「…え?」



「どいて」



そう言って優しく華恋を押し、
下駄箱から靴をとりだしてスタスタと
歩いていった。



…………………。