「……ありがと」 一発で人形を取った隼人はあたしにそれを手渡した。 そして、あたしの目を真っ直ぐ見つめてこう言った。 「つーか、同じ人形二つあっても仕方ねぇし元カレからもらった人形捨てろよ」 「え……?」 「別に俺の方捨ててもいいけど」 「……ううん!せっかく取ってもらったし大切にするよ」 「別にどうでもいいけど」 隼人はぶっきら棒にそう言うと、あたしから顔を背けた。 その横顔が少しだけ照れ臭そうで。 「ありがとう」 あたしはもう一度隼人にお礼を言った。