―――……… 「なんかさ、隼人って噂と全然違うんだね?」 「何が?」 昼飯を食べ終えた未来はオレンジジュースを飲みながら問いかけた。 「なんかもっと怖い人かと思ってた」 「偏見持ちすぎ」 「だって喧嘩するとか、窃盗してるとか……全部怖い噂なんだもん」 「喧嘩だけ」 「……へぇ。そうなんだ」 喧嘩していると知るなり、妙に白々しく俺から距離を取る未来。 「女に手は出さねぇよ」 「そっか……よかった」 安心したのか、未来はニコッと笑い再び俺に近付いてくる。 こいつは本当に単純人間のようだ。