「……あれ?隼人はご飯食べないの?」
ぼんやりとしながらコーヒーを飲んでいると、未来が不思議そうに俺の顔を覗き込んだ。
「あぁ。腹一杯だから」
「何か食べてきたの?」
「食べてない。俺、未来と一緒にいられるだけで腹一杯になれるから」
「……っ!!」
隣に座る未来に視線を移すと、未来は明らかに動揺して顔を真っ赤にして俯いた。
「バーカ。食うに決まってんだろ」
「もう!変な事言わないでよ!!」
顔真っ赤にして怒っても説得力ねぇよ。
リンゴのように真っ赤に染まった未来の頬が怒りで更に赤くなる。
「お前、単純な奴だな」
「からかわないでよ!!」
「別にからかってねぇよ」
未だに顔の赤みの取れない未来を見つめていると、何故か胸の中が温かくなった。



