翌朝、寝坊して遅刻確実となった俺は重い足取りで学校へと向かっていた。
目覚まし時計を壊したのは何度目だろう。
新しいのを買っても、どうせまた壊すんだしもう買うのはやめよう。
そんなことを考えながらふと空を見上げると、雲一つない晴天が広がっていた。
太陽の暖かい光が妙に心地いい。
こんな日に学校に行ってつまらない授業を受けるのは正直めんどくさくて。
だけど、今日に限って単位の足りていない体育がある。
どうにかしてサボりたい。
でもこのままだともっとめんどくさいことになる。
「ハァ……ダルい」
深い溜息を吐き出した瞬間、目の前を歩く一人の女に気がついた。
背が低く、背中まである茶色の長い髪を揺らしながらゆっくりと歩く女。
華奢で持っている鞄さえも何故か大きく見えて。
スラッとした脚は、今にも折れてしまいそうなくらい細かった。



