「ありがとうございました~!」
陽気な店員の声を背中に受けながらコンビニを出た俺は、目の前を通り過ぎていくカップルに目を奪われる。
「裕くん、やっと会えたね〜」
「ごめんな。最近忙しくて」
昨日と違う女の肩を抱いて優しく微笑む男。
それは間違いなく未来の元カレだった。
「すごい大人でカッコ良くて誰にでも優しい人」
確かに未来の言うとおり優しそうな雰囲気は伝わってくる。
ただ、その優しさの下には何かドロドロとした黒い感情が見え隠れしているようで。
「あんな男………別れて正解だろ」
俺は未来の元カレの背中を睨みつけ、ポツリと呟いた。



