「今日用事あるんで」
「え〜じゃあさ、とりあえず番号交換しよ?」
それもダメか。
二人組の女は携帯を取り出すとニコッと笑い掛けてきた。
その間にも、ガソリンを入れにやってきた車の列が伸びていく。
このままだと店長に怒られる。
俺は仕方なく奥の手をつかうことにした。
「俺……男好きなんで、めんどくさい病気持ってますけどそれでも大丈夫ですか?」
「えっ……ごめん!さっきのなしで!レギュラー満タンね」
俺の言葉をまんまと信じ込んで目の下を引きつらせる女達。
「バーカ」
俺はガラスを拭きながら、ボソッと呟いた。



