「分かった。もう何も言わなくていいから」
未来の気持ちは十分にわかった。
それに、これ以上この状態でいるのは生殺しに近い。
「……隼人……」
未来は潤んだ瞳で俺を見る。
その瞬間、強引に未来を奪いたい衝動に駆られる。
でもグッと気持ちを押さえて、未来の体をそっと抱えあげるとベッドに横たえた。
ずっと、未来と結ばれたいと思っていた。
心だけでなく、体も。
未来の全てが欲しかった。
未来の全てを自分だけのものにしたかった。
だけど、未来の心の傷が癒えるまでは絶対に耐え続けようと思っていた。
「未来、愛してる」
俺は顔を真っ赤に染める未来の耳元でそっと囁いた。



