「あの……今更だけど、本当にごめんなさい」
アンナちゃんはあたしの正面に移動すると、深々と頭を下げる。
「もう……いいよ?」
アンナちゃんの肩をポンッと叩くと、アンナちゃんは潤んだ瞳であたしを見た。
確かにアンナちゃんには電話で酷いことを言われたりもした。
そのせいで不安になったし、苦しくなったりもした。
でも、今更アンナちゃんを責め立てる気にはならなかった。
だって今もあたしの横には隼人がいるから。
隼人がいてくれれば、あたしはどんな試練も困難も乗り切れそうな気がする。
こんな気持ちを教えてくれたのは、アンナちゃんという存在だったのかもしれないね。



