「隼人、二人っきりにしてあげようよ?」


ようやく交わったシュンくんとアンナちゃんの気持ち。
 

きっと今、二人っきりになりたいはずだ。


あたしが背伸びして隼人の耳元でそっと囁くと、隼人は小さく頷いた。


「……分かった。でも、その前に聞きたいことがある」


隼人はそう言うと、アンナちゃんに視線を向けた。



「お前、何でバイト早退しようとしたわけ?」


「だって、シュンに早く告白の返事もらいたかったんだもん」


「……あっそ」


隼人は呆れたようにそう呟くと、あたしの左手をギュッと掴む。


久しぶりに隼人の熱を感じて。


心の中が温かくなる。



するとその瞬間、 


「……――待って!」


アンナちゃんがあたし達を呼びとめた。