『ちゃんと話し合いたい。隼人の家の傍の公園で待ってます。来てくれるまでずっと待ってるから』
白石に電話を切られた後、未来から届いたメールに気付いた。
家の近くの公園は暗くなると雰囲気が昼間とは一転する。
レイプ、暴行、喧嘩。
数々の黒い噂が絶えない場所。
未来、待ってろよ。
すぐ行くから。
「もう少し早く走れないのかよ?」
「無理よ!てかさぁ、何であたしが走らなきゃいけないの?!」
「悪いな?」
「本当に悪いと思ってんの??」
「少しはな」
ゼェゼェと息を切らして走り続ける美咲
ほんの少しだけ申し訳ない気持ちになっているのは確かで。
だけど、未来の無事を確認するまでは、美咲に頑張ってもらうしかない。
「もう少しだから」
「隼人、単車持ってんでしょ?!何でこんな時に限って乗ってきてないのよ?!」
苦しそうに走り続けている割に、美咲の文句は一向に止まる気配がなかった。



