「なぁ、お化け屋敷入ろうぜ?」
「……あッ……うん!そうだね……?」
一瞬だけ表情を固めた未来。
だけどすぐに笑顔になった。
お化け屋敷、苦手なんだな。
察しはついたけれど、何故か未来をいじめてやりたくなった。
散々振り回されたからな。
さっきのお返しだ。
「ほら、いくぞ」
今度は逆に俺が引け腰の未来の手を引っぱり、お化け屋敷へ向かった。
「……ねぇ、本当に大丈夫かな?」
「何が?」
入口に着くなりすぐに怖気づく未来。
ビクビクしている未来が面白くて笑いをかみ殺していると、何を思ったのか未来は、
「何でもない!よし……いこっ!!」
突然何かを吹っ切ったかのように、一人でお化け屋敷に入って行った。



