赤いハートマークしかないメール。


隼人は照れながらこのメールを送ってくれたに違いない。


一気に嬉しさが込み上げ思わず顔がニヤける。



……ちゃんと約束守ってくれたんだね。


あたしはすぐにそのメールを保護した。


ハートマークのメールが届いただけなのに、飛びあがってしまいたいほど嬉しくて。


胸がキュンっと高鳴って、『隼人、大好き!』って叫んでしまいたくなる。



「……ムフフッ……」


授業の合間に、暇さえあれば保護したメールを見て。


ニヤけながら時折気味の悪い声を出して笑うあたしを、隣に座る男の子は顔を引きつらせて見ていた。