「隼人……?」


一瞬で目が覚めたのか、未来は驚いて目を丸くしている。
 

手と手の間には未来の赤らんだ顔。 


「……わりぃ」


俺は未来の腕を引っ張って、体を起こしてやった。 


「まだ熱あるんじゃない?寝てなきゃダメだよ?」


顔を真っ赤にして焦る未来を見ていると、衝動を抑えきれなくて。


……ヤバい、もう限界かも。



「まだ寒気するんだけど。未来、暖めて?」


もう熱なんてほとんどない。 


でも、風邪を口実に俺は未来の小さな体をギュッと抱き締めた。