「……寝苦しそう……」


解熱剤を飲んだ後、隼人はすぐに深い眠りに落ちていった。


だけど、額に汗をかいて寝苦しそうな隼人。


あたしは隼人の汗を何度もタオルで拭った。 



「話って何だったんだろ……」


結局、隼人がうちに来た理由を聞けなかった。 


でも、今隼人はこうしてあたしの目の前にいる。 


あたしにとってそれが一番の幸せだった。 



「隼人……好きだよ」


隼人が美咲ちゃんとどういう関係かは分からないけど、
 

あたしは隼人が好き。 


隼人が大好き。
 


手をギュッと握ると、隼人の熱があたしの手に伝わってくる。


ねぇ、隼人。


あたし、この手を絶対に離したくないよ。


あたしはベッドの横に座ったままずっと隼人の手を握り続けた。