2限は体育の授業だった。


体操服に着替え終えると、ミホがあたしのわき腹を肘で突いた。


「今日の体育、4クラス合同でやるみたいだよ?」


「へぇ……そうなんだ?」


「隼人くんも一緒だね!」


明らかにニヤニヤとした表情であたしを見つめるミホ。


ミホが何を言いたいのか、手に取るように分かる。


「別に新城隼人がいようがいまいが、あたしには関係ないよ」


先手を打ってそう言うと、ミホは唇を尖らせた。


「ねぇ、未来。もう元カレのことはキッパリ忘れて新しい恋頑張りなよ」


一瞬、真剣な表情になったミホ。


いつまでも裕のことを忘れずにいるあたしを、ミホはずっと心配してくれている。


これ以上、ミホに心配をかけたくない。


「ミホに言われなくてもそうしますよ~!ほら、早く体育館いこ?」


「だね」


うまく話を反らしたあたしは、ミホの腕を引っ張って体育館に向かった。