「俺はまだ未来のことが好きだから」 隼人はあたしの目を真っすぐ見つめて、力強くそう言い切った。 隼人はいつだって自分に正直だ。 ……あたしも、隼人のように素直になりたい。 素直に生きていきたい。 この気持ちを隠すということは、隼人に嘘を吐くことになる。 「あたしも……好きだよ」 あたしは隼人の全てが大好きなんだ。 「バーカ。気付くの遅ぇよ」 隼人はそう言うと、廊下の真ん中でギュッとあたしを抱き締めた。