それから携帯の中身だけでなく、裕との思い出の品を一つ残らず捨てていった。 大きなビニール袋を取り出して、思い出の詰まった人形や小物を入れていく。 写真を細かく破り袋の中に入れて、最後にずっと愛用していたシャープペンを入れた。 別れた時、捨てようと思っても何一つ捨てられなかったのに。 気持ちの吹っ切れた今、裕との思い出の品を捨てることになんの抵抗も感じられないでいた。 ……もうこれで全て終わりだ。 「裕……さようなら」 あたしは大きく膨らんだゴミ袋を真っ直ぐ見つめてポツリと呟いた。