王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜


一人部屋に取り残されたあたしはキョロキョロと辺りを見渡した。


6畳程のフローリングの部屋には物が乱雑に置かれていて。


隼人の性格がもろに表れているような気がする。


「バイク好きなんだ……」


壁にはたくさんの写真が貼られ、ベットの上にはさっきまで読んでいたバイク雑誌が無造作に置かれている。


「……あたし、隼人のこと何も知らない……」


今まで隼人と何の接点もないまま学校生活を送っていた。


怖い人、悪い人、不良。


隼人と関わり合うまで、ずっとそんなイメージを持っていた。


でも、一生懸命にココアを作ってくれたり、下着を買いに行ってくれたり。


本当に悪い人だったとしたら、そんなこと絶対にしてくれない。


悪人じゃなくても、女物の下着を一人で買いに行くのは抵抗があるはず。


いつの間にか、隼人の悪いイメージは払拭されていて。


それどころか、隼人のイメージがガラリと変わった。