「未来に謝れ」
「ハァ?最後までしてないし、別に謝る必要ないだろ?」
「そういう問題じゃねぇだろ」
俺が睨むと、男は唇を尖らせて反論してきた。
「だってさ、一年も付き合ってて一回もヤラせてくれなかったんだぜ?怖いからとか言って純情ぶりやがって」
「それが何だっていうんだよ」
「めんどくさくなって別れたけど、お前みたいな奴に奪われるのも癪(しゃく)だし、俺が先にって思ったんだけどな」
口の端を上に持ち上げて妖笑を浮かべる男。
腐ってる。
こいつは人を想う気持ちなんて持ち合わせていない。
女をただの性欲処理の道具にしか思っていないんだ。



