「未来の元カレ……あたしと同中の子にも手出してたの。レイプまがいのことしようとしたって……」


「それ、間違いないのか?」


「……うん。未来に言わなくちゃと思ってたんだけど、なかなか言えなくて。未来に何かあったらあたしのせいだ……」


頭を抱えて今にも泣き出しそうな高梨。


「おい、隼人……。それってかなりヤバくねぇか?」


隣でジッと俺達の会話を聞いていた亮も慌てている。


「未来が今どこにいるかわかる?」


「分かんない。ただ、電話口からノイズは聞こえなかったし室内にいるのかも」


未来がどこにいるのか分からない。


でも今は、未来がいそうな場所を片っ端から探すしか方法はなかった。



「……元カレの家、どこか分かる?」


「一回だけ一緒に行ったことがあるから覚えてるけど……」


「悪いんだけど案内して?」


俺はそう言うと、高梨に黒いヘルメットを手渡した。